GfK Japan (東京:中野区) は、家電量販店、総合量販店、インターネット通販における薄型テレビの販売動向*1と、購入者調査に基づく購入重視点について発表した。
【概要】
・2019年1-11月の薄型テレビ販売は数量前年比10%増、金額前年比19%増
・消費増税前の駆け込み需要はみられたものの、反動減は緩やか
・4Kテレビの販売台数は前年比42%増を記録。数量構成比は52%と過半に達す
【薄型テレビ販売動向】
2019年1-11月の薄型テレビ販売は数量前年比10%増となった。エコポイント制度やアナログ停波による特需から10年近くが経過し、買い替え需要が高まっていると考えられる。
市場をけん引したのは4Kや大画面といった高価格製品であり、市場全体の平均価格は約83,000円と、前年同期から9%上昇した。その結果、テレビ販売の金額規模は前年比19%増となった。通年では、数量・金額ともに3年連続のプラス成長となる見通しだ。
【増税前後の薄型テレビ販売動向】
消費税が8%から10%となる直前の2019年9月に実施した消費者調査*2で、増税前に購入しておきたい家電製品を聞いたところ、「テレビ」を挙げた割合が最も高かった。実際に9月のテレビ販売は数量前年比72%増と、駆け込み需要による盛り上がりがみられた(図1)。増税後の10月は同10%減となり、駆け込み需要による反動減は前回の2014年4月の増税時(同32%減)と比較すると軽微であった。買い替え需要が高水準で維持されていることに加え、高視聴率を記録したラグビーワールドカップによる特需が反動減を緩和したとみられる。
【大画面モデル、4Kテレビの販売動向】
2019年10月に薄型テレビ購入者約9,000名に対して実施した調査*3によると、購入時の重視点として最も多く挙げられた項目は「画面の大きさ(インチ数)」で64%、次いで「画質」が48%となった(図2)。1月の調査時と比較すると、いずれもわずかながら数値が上昇している。
販売においては、大画面や高画質のテレビに対する需要の高まりがより顕著に表れている。
2019年1-11月における46インチ以上の大画面モデルの販売台数は前年比31%増となった。数量構成比は36%と、前年同期から6%ポイント伸長した。
また、4Kテレビの販売台数は前年比42%増を記録した。数量構成比は12%ポイント伸長し、52%と過半に達した(図3)。金額構成比でみると80%と、テレビ市場の大部分を4Kテレビが占めた。また、有機ELテレビの販売台数も前年の2.1倍と引き続き好調で、テレビ全体の6%を占めるまでに拡大した。
【4Kチューナー内蔵モデルが急伸】
2018年12月にBS/110度CSの4K実用放送が開始されてから、1年が経過した。4K放送視聴に必要な専用のBS/CSチューナーを内蔵したモデルのラインナップは、この1年で急速に拡充され100モデルを超えた。その結果、直近11月のテレビ販売に占める4Kチューナー内蔵モデルの数量構成比は40%に達した。
前述の購入者調査で購入時の重視点として「4Kチューナー内蔵」が挙げられた割合は26%となり、4K実用放送開始直後の2019年1月の調査時から13%ポイント上昇した。
2020年には東京オリンピック・パラリンピックが控えており、4K放送の視聴ニーズは高まっていくと考えられる。こうした追い風を受け、テレビの買い替え需要は引き続き旺盛な状況が続くとみられる。
* 1. 全国の家電量販店・総合量販店・インターネット販売における販売実績を基に市場規模相当まで拡大推計
*2. 「消費増税に関する調査」概要
■調査期間:2019年8月26日~9月8日(計14日間)
■調査対象:20~69歳 約13,400名
■調査方法:インターネット調査
■回答者属性:性、年代、居住都道府県、世帯年収、世帯人数
■調査内容:購買意識、他
*3. 「家電製品購入者調査」概要
■調査主体:GfK・インテージ
■調査実施機関:インテージ
■調査対象:
2019年1月実査(2018年10月~12月における家電製品購入者、サンプルサイズ約18,400名)
2019年10月実査(2019年7月~9月における家電製品購入者、サンプルサイズ約18,300名)
■調査方法:インターネット調査
■回答者属性: 性、年代、居住都道府県、職業、世帯年収、家族構成、他
■調査対象分類:テレビ、BDレコーダー、携帯音楽プレーヤー、交換式カメラ、コンパクトカメラ、デジタルビデオカメラ、アクションカメラ、ヘッドホン、スピーカー
■調査内容:メーカー名、モデル名、比較検討メーカー名、購入前使用メーカー、購入価格帯、購入重視点、活用用途、他
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