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音楽配信の総再生回数は前年比11%伸長 ー 2024年 音楽ストリーミング配信・セル映像ソフト市場動向ー

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音楽配信の総再生回数は前年比11%伸長 ー 2024年 音楽ストリーミング配信・セル映像ソフト市場動向ー


Consumer Behavior , Data Technology , Industry Trends

年間再生回数5億以上の楽曲が1タイトル、3億以上の楽曲が4タイトル

 2025年2月10日

 NIQ/GfK Japanは、 2024年の音楽ストリーミング配信の市場概況1とセル映像ソフトの販売動向2を発表した。

 【概要】
音楽ストリーミング配信市場
・2024年の音楽ストリーミング配信の総再生回数は前年の11%伸長
・年間再生回数5億以上の楽曲が1タイトル、3億以上の楽曲が4タイトル
・ジャンル別再生回数構成比で邦楽が82%で1%増

セル映像ソフト市場
・2024年の映像ソフト市場は数量前年比22%減、金額前年比18.9%減
・ジャンル別金額構成比ではアニメが前年から4%ポイント
・4K Ultra HD Blu-rayソフトは1,000タイトルを超えるも市場規模は30%縮小 


市場55%を上位5位が占有

【音楽ストリーミング配信市場は引き続き拡大】
 市場は、伸長率が減少傾向であるものの、2024年の総再生回数は前年比11%の伸びとなり増加であった(図1)。
 楽曲に目を向けると、「 Bling-Bang-Bang-Born/Creepy Nuts」が最も大きく再生回数を伸ばし、5億を超えた。その他に再生回数3億以上を記録した楽曲は「ライラック/Mrs. GREEN APPLE」「ケセラセラ/ Mrs. GREEN APPLE」、「幾億光年/Omoinotake」「晩餐歌/ tuki.」の4曲で、昨年より2曲増加となった。2億回以上再生された楽曲も昨年より2タイトル増え「アイドル/ YOASOBI」、「唱/Ado」、「Magnetic/ILLIT」、Vaudyの「怪獣の花唄」「タイムパラドックス」、 Mrs. GREEN APPLE の「Soranji 」、「青と夏」 、「ダンスホール」の合計8曲となった。
 TOP3の3タイトルは、国内テレビアニメ番組の主題歌2曲、国内ドラマ主題歌1曲とすべて2024年リリースの新譜であった。TOP10に4曲ランクインしたMrs. GREEN APPLEは、4タイトルを合計した再生回数がTOP10の総再生回数の36%を占めた。 


邦楽シェアが上昇

邦楽・洋楽・K-POPを含むアジアのジャンル別動向*3をみると、邦楽は前年と比較して1%上昇し引き続き大きなシェアを占めた。洋楽のシェアは前年比で横ばい、アジアは前年より1%ポイント縮小となった。再回数構成比では邦楽が82%、洋楽が6%、アジアは12%と邦楽が多くを占める結果となった(図2)。 年間再生回数の上位100タイトルをみると、邦楽が3タイトル増え93タイトル、洋楽は1タイトル、アジアは前年より4タイトル減の6タイトルとなった。


映像ソフトは平均価格が4%上昇

【映像ソフト全体】
 2024年のセル映像ソフト市場*3 (DVD、Blu-ray、4K Ultra HD Blu-rayなど全て含む)は数量前年比22%減の1,609万枚、金額前年比18.9%減の1,010億円となった。
 市場全体の税抜平均実売価格は、6,280円と前年同期から4%上昇した。販売チャネル別金額構成比は、Eコマース72%、メディアストア17%、家電量販店3%、総合量販店0.03%となり、Eコマースの構成比が前年から1%ポイント拡大した。
 ジャンル別の金額構成比では音楽が最大ジャンルとなったが、好調であった前年から6%ポイント縮小の42%となった(図3)。その一方で、映画『THE FIRST SLAM DUNK』などのリリースがあった邦アニメが構成比を4%ポイント伸長させた。この2ジャンルで市場の67%を占めている。


Blu-rayソフトの平均価格が5%上昇

【Blu-rayソフト】
 2024年のBlu-rayソフト(4K Ultra HD Blu-rayを含む)は、数量で前年比19.4%減の984万枚、金額で同15.2%減の716億円となった。税抜平均実売価格は7,282円と前年から5%上昇した。

2023年のBlu-ray新作リリース数は2,600本超(対前年102%)となっており、2020年のコロナ禍で一度落ち込んだ新作リリース数は微増傾向となっている。

 なお、4K Ultra HD Blu-rayソフトは2024年末時点で1,000タイトルを超えたが、市場規模としては前年から30%程度縮小となった。


2025年展望

【2025年展望】 
 2025年のセル映像ソフト市場は引き続き減少トレンドとなることが予想される。セルパッケージの購入は今後、映像作品を見るためという目的から、コレクションや推し活といった目的が中心となるだろう。固定ファンがついている音楽ジャンルやコアなアニメファンがいる邦アニメジャンルの作品については今後もセルパッケージの一定の需要が見込まれる。

 それ以外のジャンルについては、月額見放題サービスが伸長しているデジタル配信へのシフトがより進んでいくだろう。パッケージ購入を続けるコアなユーザーに向けて、作品ごとに的確なプロモーションやキャンペーン施策、魅力的な特典を付けるといった取り組みがより一層重要になってくるだろう。


*1 主要ストリーミング音楽配信サイトにおける再生実績に基づき推計
集計対象音楽配信サイト:Amazon Music Prime/Amazon Music Unlimited/Apple Music/au スマートパスプレミアム ミュージック/AWA /KKBOX/LINE MUSIC/Rakuten Music/Spotify/TOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョク/ YouTube Music
*2 映像ソフト市場: 全国の映像ソフト取扱店(メディアストア、家電量販店、総合量販店、Eコマース等)における販売実績を基に推計した市場規模
*3 音楽ストリーミング分類別データについては、年間再生回数上位3000タイトルを集計対象とする


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