コロナ後のマーケティング・ブランド戦略における次の一手は?
ブランドロイヤルティーと持続可能なビジネス成長を維持するためには、投資の最適化が重要です。
前回のインサイト記事では、新型コロナウイルス感染症によるマーケティングと広告の変化、及び成功を収めているブランドがある一方で、生き残るために奮闘しているブランドもある点を述べました。 今回は、いずれロックダウンから抜け出す時に見られるであろう動向と、常に進化し、かつ不確実な状況下において、マーケターが知っておくべき戦術について述べていきます。
従来のチャネルの回復
マーケティングおよび広告が、すぐにコロナ前のレベルに戻る可能性は高くありませんが、2021 年に成長が期待されるチャネルの中で、テレビ、オーディオ、OOH(屋外広告)といったオフラインチャネルでの活動の増加が既に見られています1。
実際に、成長率は業界の年間予想を既に超えており、世界中で広告費は 19% 上昇すると予測されています。 これには、主要なスポーツイベントの再開などによるテレビ広告の成長率予想9.3%が含まれており、ユーザーをターゲットできる広告を配信可能なコネクテッドTVなどの成長も期待されています1。
デジタルが多くの企業にとって非常に重要なことは変わりませんが、マーケターは購入者の行動を分析し続け、購入者へリーチする最も効果的なチャネルを明らかにする必要があります。 コロナ後の回復に進み始めた今、それはデジタルとアナログのミックスと思われます。
新しいプラットフォームでの広告費
パンデミックの間、Amazon、Pinterest、TikTok などのプラットフォームは、多くの企業にとっての主要な投資チャネルとして前面に出てきました。この傾向はこれからも続くと思われます。 Amazon を例にとると、2020 年に広告で 210 億ドルの収益を上げ2、需要が増加した結果、2021 年 6 月のクリックあたりの平均コストが 30% 上昇の 1.20 ドルに増加しました3。
一方、2020 年のロックダウンの間に TikTok のユーザーと利用が驚異的に伸びたため、調査会社WARCによるレポートでは、44% のブランドが今年の TikTok への支出が増えると予想しており、これは Facebook の 39% を上回っています4。
短期的リアクションから長期的計画へ重点の置き直し
ロックダウンの間、マーケティングにおいて急激な変化が起き、それにより短期的なプランニングと軌道修正に迫られることとなりました。 ところが、Forrester Research によると、B2C マーケターは、2021 年に長期的なロイヤリティとリテンションを重視したマーケティングへの支出を 15% 増加し、短期的な製品やパフォーマンスに基づくキャンペーンを控えています4。
また、マス マーケティングによる認知度の最大化とライトユーザーからヘビーユーザーへの転換に重点を置くことも重要です。 これは簡単なことではありません。パンデミックによりブランドロイヤリティが崩れ、ロックダウンの間に半数の消費者が新しいブランドに切り替えたというデータもあるのです5。
リカバーに成功するブランドとは、顧客との長続きする関係を構築することに重点を置くブランドであり、これは、ビジネスの持続性に重点を置いた長期的なアプローチを採用することを意味します。 同様に重要になるのが、さまざまなマーケティング キャンペーンの効果測定とブランド価値に対するマーケティングの影響、つまり、突き詰めると、マーケティング支出の長期と短期、両方の効果を測定するマーケターの能力です。
総合的な測定と迅速な計画が鍵
GfKのAPACマーケティング アナリティクス リードSpencer Ngは下記のように述べています。「効果測定と予算計画の新しいアプローチが必要です。 マーケターには、マーケティング パフォーマンスを測定し、販売への寄与度を予測する一方で、マーケティング チャネルおよび消費者意識の大幅な変化を把握できる能力が必要です。」
「短期と長期のバランスをとる必要があるため、すべての重要なメディアと販売チャネルを測定でき、サードパーティ Cookie の利用が制限された場合にも活用し続けられるように設計されたソリューションが必要です。」
「こうしたデータがなければ、平均して予算の 26% を効果の低いチャネルや戦略で無駄にしている、という調査結果があることで示される通り、あまりにも簡単に誤った投資を行ってしまいます6。 迅速なアプローチ、そしてさまざまなシナリオにおけるマーケティング ミックスを最適化する能力は、大きな役割を果たします。GfK のマーケティング ミックス オプティマイザー(MMO)は、ここで役立ちます。
GfK のマーケティングミックスオプティマイザー(MMO): 将来の投資計画をサポート
GfK のマーケティングミックスオプティマイザー (MMO) は、独自に保有する店頭販売データを利用し、売り上げに影響を与える他の重要な要素とともに、新型コロナウイルス感染症の影響も定量化することができます。
GfKのグローバルマーケティング アナリティクス リードであるGavin Morganは下記のように述べています。「パンデミックから抜け出すとき、MMO を使用して、どのメディア投資が最も効果的か、またマーケティング戦略とブランド構築に関する活動がどのように展開しているかを再評価し、さらに最適化できる場所を特定できます。」
「MMO は、最先端のアルゴリズムを使用して結果を予測し、マーケティングの目標に最も適合する最適なマーケティング ミックスの投資を処方します。この変化し続ける時代にオーディエンスと効果的にコミュニケーションをとることを可能にします。」
ケーススタディ – APAC地域のスマートフォン市場
パフォーマンスの最適化: 当社のマーケティング ミックスモデルに基づいて、シミュレーションによりメディア予算を再配分*
* メディア予算の再配分は、予算に変更がないことを前提としています
マーケティングミックスモデリング(MMM)実行の流れ
- 意思決定にデータ主導のアプローチを採用する
- マーケティング活動における売上へ結びつく要因と障壁となる要因を特定する
- ビジネスにおける成功のターゲットを設定し、達成する方法をシミュレーションする
- 将来に向けて計画を立案し、予算割り当てに変更を加える
- マーケティング計画を実行する
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