GfK ジャパン(東京:中野区)は、電力自由化後の電気事業者変更状況に関する調査を実施し、電力事業者の変更状況や電気料金の削減幅、提供サービスの利用意向等について発表した。
【概要】
・既に電力会社を変更した人は12%。昨年度より5%ポイント増加。
・電気会社を変更した人の7割強は電気料金の削減に成功。
・電力会社のサービスで利用意向が最も高いのは、「電気トラブル時の24時間サポート提供」。
【電力自由化後の事業者変更状況】
電力自由化後の電力会社変更状況について調査した。2016年5月調査では7%であった電力会社の変更率は、2017年9月調査では12%へ上昇した(図1) 。また、電力会社は変えていないが、契約プランのみを変更した人も5%おり、2割弱が電力自由化後になんらかの形で電力契約を見直していることが明らかになった。さらに、一度電力会社を変えた後、再度電力会社を変更した人も1%存在した。再度電力会社を変更した人は2017年4月の切り替えが最も多く、電力自由化直後の2016年4月に変更した人が約1年経って再度の見直しを行ったと考えられる。
エリア別※1に電力会社の変更率をみると、最も高かったのは関西電力エリアで18%、次いで東京電力エリア(16%)、北海道電力エリア(14%)となった。前回調査でトップであった東京電力エリアが前回から7%ポイントの上昇にとどまったのに対し、関西電力エリアでは10%ポイントと大きく上昇した。また、中国電力エリアと中部電力エリアでは、電力会社の変更率は一桁であったが、契約プランのみの変更率は10%超と全国平均より高く、エリアの特性がみられた。
年代別にみると、電気会社の変更率が最も高かったのは60歳代以上であった。また、契約プランのみの変更率は、60歳代以上と20歳代以下で高くなった。20歳代以下では、賃貸住宅のため自分で電力会社を変えることが難しい人が多いという背景もあるが、電気代節約への関心が、若年層と高齢層に偏っている傾向がみられた。
【電力会社変更による電気料金の変化】
電力会社を実際に変更した人に、電気料金の変化について確認したところ、70%が変更後に電気料金が安くなったとした(図2)。削減幅としては5~9%が最も多く31%、5%未満の削減が23%となった。10%以上の削減ができたのは全国では17%であったが、東京電力エリアに絞ると20%超と高かった。
現在電力会社の変更を検討している人は半数以上が10%以上の大幅な電気料金の削減を目指している。2017年10月時点で登録小売電力事業者数は400社以上ある。また、通信費やガスとのセット割りやガソリンの割り引きなど電気料金以外の割引提案も数多い。支出項目を分析し、トータルの支出が最も低くなるプランを選択できるかが鍵となり、プランのマッチングニーズは高そうだ。
【電力会社に期待するサービス】
電力会社の提供サービスが多様化する中、どのようなサービスが求められているかを調査した。最も利用意向が高かったサービスは「電気トラブル時の24時間サポート提供」で、次いで「電気料金など家計の支出削減に役立つアドバイス提供」、「WEB サイトで電気使用量把握と電気代削減アドバイス」となった(図3)。既に電力会社を変更した人に絞ると、「メールによる毎月の電気料金お知らせ」が増え、「電気トラブル時の24時間サポート提供」と同程度の利用希望となった。電力会社にとっては、電力使用状況のタイムリーな見える化や、会員向け生活支援サービスの開発など顧客利便性の追求が重要といえるだろう。また、電力会社の変更を検討中の人はどの項目も全体よりも利用希望が高く、電力会社が提供するサービスへの期待値も高いことが伺えた。
▼本リリースの詳細結果および、「電力自由化調査2017」の調査項目は以下よりご覧いただけます。
http://insights.gfk.com/2017electricity_deregulation_study
※1. 電力会社が複数ある県は、契約が最も多い電力会社のエリアに含めた
「電力自由化調査2017」概要
■ 調査期間: 2017年8月28日~9月10日(計14日間)
■ 調査方法: インターネット調査
■ 調査対象: 18歳以上の男女14,062名 *セルごとの割り付けはせず、ノンウェイト集計(男性81%、女性19%)
■ 調査内容: 電力事業者の変更有無、変更を検討している電力事業者、変更した電力事業者、変更の際の重視点、 想定していた電気料金の削減幅、変更後の電気料金の削減幅、電力事業者を変更しない理由、電力会社の利用したいサービス、エコ家電への関心度 など
<以下より図表付資料をダウンロードいただけます>
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